http://www.barks.jp/news/?id=1000061791
一ヶ月以上の前のニュースにどーたらこーたら言うのもアレだけど、トム・ヨークの言動についてちょっと言いたいことがあったので、書くことに。 そーとーに上から目線で下品な言葉遣いだから熱心なファンは間違いなく不愉快になるだろうがね。 まあ、こんな糞ブログはそんな真面目な人は見ていないだろうからいいけどね。 このニュースでのトムの発言自体は正しいと思うけど、 「お前が言うな」 て感じた。 全文が載ってるわけじゃないし、わざとこんな叩かれやすい部分だけ抜粋されてるのもあるだろうけど、前々からトムの言動には時折不快感を感じていた。 いや、トムはトムなりに考えてやってるんだろうけど、なーーーーーーーーんか一言言いたくなるのよ、この人は!!!!!! 「今の音楽業界はもうダメだ」 て言うのには同意だけど、 「自分でなんとかしろ」 てちょっと冷たくない? 冷たいというか無責任な印象を受ける。 「レコード会社に頼らず自分でやれ」 て、あんたが言うなよと感じた。 だって、この人だって最初はレコード会社のお蔭で売れたんでしょ? 既存のシステムのお蔭で富と名声を手に入れた人が、さも自分は一から全部やりました、みたいな感じに上から目線で 「自分でやれ」 てなんだかねえ。 洋楽オタクに多いんだけど、ミュージシャンの言うことを丸呑みしてレコード会社を目の敵にする人間がいるけど、そういう人たちってなんだか。 いや、私もレコード会社が「善」だなんて思っていないし、音楽に対する愛情も理解もなく、「金儲け」にだけに走る奴は大嫌いで、そういう奴が今音楽業界が下火になっている一因だと思う。 バカソーみたいな自分はなんら創作する能力がないのに、才能がある人間に寄生して偉そうにしている業界の屑は虫唾が走る。 でも、アーティストが最低限の生活をしてその人生を「芸術」「表現」に捧げるにはある程度の「金」「力」が必要なのは事実。「芸術」は「政治」「経済」と密接な関係があるのは、馬鹿な私でも解るぞ。 イタリアのルネッサンスもフィレンツェが経済的に栄えていたのと、メディチ家っていう金も力もあって芸術にも関心が高かった大パトロンがいたからだし、日本の狩野派が栄えたのも代々の殿様に気に入られてたから。 一部の馬鹿な音楽オタクは 「素晴しい音楽は『金』『政治』という「汚い現実」とは無縁のものから生まれて、そういう「汚い」ものとは関係のない人々の「芸術を愛する心」によってのみ栄える」 みたいな「お花畑」でうんざりする。 そりゃね、芸術のセンスが一切ないくせに芸術家の仕事に口を出してきて、素晴しい芸術作品を改竄する馬鹿な金持ちはいかんよ。 今なら大手のレコード会社が「作品」として素晴しい音楽より、「売れる」音楽ばっか出してるようなもん。 でも、「金」「力」はそれに溺れて悪いことしちゃいけないけど、無視していいもんでもないよ。 トムだって若い頃は「スターになりたい」「売れたい」みたいに思ってたんでしょ? この人が売れたのは、勿論、自分や仲間の才能と努力が大きいけど、レコード会社のお蔭でもあるでしょう。 インタビューを受ける段取りや時間の調整、ライブの会場設定、スタッフの配置、ラジオ会社やCDショップへの地道な営業。 私は一般人だから詳しいことは知らないけど、レコード会社がやってくれそうなことって思いつくだけでもこれくらいあるし、こういうことを全部アーティストがやろうとしたら、相当な負担で本業に支障をきたす可能性がある。 売れないミュージシャンとかでも下積みの時に売り込みだとかを自分で必死になってやって、それに気を取られてしまって本当にやりたい音楽やれない、最初の目的を見失ってしまった人は少なくない。 この人はそういう地べた這いずり回って何もかも自分でやらなければいけない、「底辺」の苦労をせずにデビューしたから、レコード会社の有り難味がよく解ってねえんじゃねえの? 別にレコード会社におもねってそいつらの言うこと聞いてつまんねえスカスカの音楽作れ、てわけじゃないけど、 「何もかも自分でやる」 苦労をしたことがないくせに、 「苦労しろ」 だなんて、ちょっとねえ。 ファンはこの前の 「好きに値段つけてね!」 ダウンロードを例にとって 「この人たちも自分でやろうとしてるよ!」 とか言いたくなるかもしれんけど、それはあれだけ有名で実力がある人たちだから話題になったんだし、彼らほど有名じゃないけど素晴しいミュージシャンで、無料でバンバン自分らの音楽ダウンロードさせてる人が時々いるけど、その人たちがそんなに話題にならないのは、正味な話、「売れてないから」だよねえ。 くどいけど、この人らが有名になれたのは既存のレコード会社のシステムのお蔭で、それを踏み台にして自分のやりたいことやってる人たちが自分の足元を否定するようなことを言うのはいかがなものかと。 よくミュージシャンは 「自分らで音楽作ってない連中がちょっと口を出しただけで大金せしめてやがる」 と文句を言うし、私も賛成だけど、レコード会社からしてみれば 「じゃあ、自分らの代わりにお前らが営業やら何やら一からやってみろや!」 て話でしょ。 さっき言ったような一部の音楽馬鹿どもはミュージシャンが自分でマーケティングやら営業をしたら 「金に目が眩んだ汚い奴」 と言うし、一般人もミュージシャンが金のことを言ったら白い目で見る。 下手すりゃ、不道徳的なことを歌い、反社会的で愚かな行いをしているミュージシャンよりも嫌われる。 レコード会社がそういう「汚い」部分を負ってくれているから、自分達は「綺麗」でいられる面もないだろうかねえ? 何でもそうだけど、何もない所に一から作ろうとしたら額に汗をして手足に血豆を作るような努力を気の遠くなる時間と根気でやらなければいけない。それは少しも優雅でもない「格好の悪い」ことだ。 私はこの人が「音楽」に関しては苦労をしていない、「努力」をしていないとは全く思わないけれど、それ以外の分野で「格好の悪い」ことをしてまで何か新しい地平を切り開こうとしているようには思えないんだよねえ。 本人は口では「何とかしなきゃ」って言ってるけど、このニュースを読む限りでは危機感ゼロない言い方じゃん。 自分も音楽業界の人間のクセして、「沈みかけてる船」に乗ってるとは欠片も思ってないからこんな悠長なこと言ってられるんでしょ。 そら、あんたは金もあって、今引退しても余裕で暮らしていけるんだろうけど、そんな余裕もなくて「沈んで行く船」から逃げられない人間からしてみれば、これほど腹の立つ発言もないと思うよ。 リリー・アレンが 「ネットでのダウンロードいいんじゃない」 ていう大物アーティストたちに 「あんたたちは有名で売れてるからそんなこと言えるのよ! ふざけんな!」 て怒って行動起こしたけど、是非は別としてそっちのが自然だと感じるわ。 で、まだこの人が万事においてこの調子で仙人だか世捨て人みたいな達観したニヒリズムに徹した、「一番の環境保護は人類滅亡だ」みたいな言動なら、 「まー、ああいう人だし」 とそんなに腹も立たないんだろうけど、環境問題やら社会問題には鬱陶しいぐらいに口を出している。 「このままじゃだめだ! 皆もっと関心を持って解決しなきゃ!」 みたいにね。 しかも、 「子供達の未来のため」 だのって手垢のついた口にするだけでも恥ずかしいような甘ったるい理由で。 それも重要だとは思うけど、なら先ずこの人は自分が属している「音楽業界の未来」のために戦うほうが先なんじゃねえの? この人それなりの金持ちの家に生まれて、明日のご飯の心配はしなくてもいいけど、それでも満たされない何かを埋めようとして、それを音楽に求めたんじゃないの? 「誰かに認められたい!」 そういう欲求を音楽に求めたんだろうし、そういう「認められたい」って思いを音楽や絵や写真に求める人間はこれからも一定数いるだろうし、「音楽で食う」という道はなくても、人は絶対に音楽や「芸術」を愛して求めると思う。 音楽じゃないけれど、一万年以上前の洞窟に人間の祖先は絵を描いたし、単なる煮焼きする鍋や皿に彩色や装飾を施したり、宇宙人を思わせる土偶を作ったりしていた。 今となってはその正確な意味を知ることは不可能だけれど、単に食って排泄して生殖する「生物」以外の「心」を人間は持ち、それを表現しようとして形にして残そうとしたんじゃないのかな。 「芸術のためなら何をしてもいい」 「音楽は世界を変える」 というような「芸術至上主義」は私も嫌いだし、トムが批判したいのはそういう連中だろう。 歌を歌えば世の中が平和になる貧困は解決できると思って莫大な金を使って「啓蒙活動」している愚か者どもは地獄に堕ちればいいとも思う。 でも、だからってこの人の言うように 「沈ませれば?」 と傍観しているだけの連中もどうかと思う。 私はこの人のことは決して嫌いではないし、できれば好きになりたいと思う。 この人は頭がよくて優しくてちょっと臆病で無気力な人なんだろう。 でも、この人は政治家やら一般市民やらに偉そうに 「この世界の責任を」 みたいに言うのなら、自分だって自分の「責任」を果たすべきなんじゃないの? 音楽業界が「沈み行く船」だというのなら、爆破するなりなんなりしてトドメを刺してやるとか、それができないのならせめて今乗っている人たちを救ってあげるように積極的に働くべきなんじゃない? それがいやしくも音楽業界に身を置いていて、金も力もある人間の「責任」じゃねえの? この人、音楽なければただのチビで口うるさいオッサンじゃねえかよ。 音楽のお蔭で金も力ももらえて発言に注目させてもらえてるくせして音楽を軽んじていて、そういうことを言っている自分は「重く」みている印象受けるから不愉快なんだよなあー。 勿論、この人一人に音楽業界の全てを被せるのは酷だし、ミュージシャンですらない外野が上から目線で 「責任とれや」 と言うのもおかしいだろう。 ただ、トムは自分だって政治家でも社会活動家として本格的に活動している訳でもなく、またその才能もセンスもないのに、上から目線でテレビや雑誌で文句をつける「格好いいこと」はやって、政治や草の根の社会活動に自分の日々を捧げる「格好悪い」ことはせずに、「有名人の社会活動」という愚かな民衆が適当に賛同してくれる程度の活動で、「有名なミュージシャン」という美味しい立場には居座ったまま。 「音楽」に関してはすごい努力家なんだろうけど、それ以外のことはダメでしょ、この人。 ミュージシャンに聖人君子を求める気は一切ないし、音楽でこれだけ才能があるんだから別にそれでいいと思う。 でも、本人は勿論、ファンや馬鹿なメディアが必要以上にこういう人を美化して持ち上げるなら舌打ちしたくなる。 日本もそうだけど、音楽業界も有名なミュージシャンの子供がデビューして、売れなくても単にテレビで馬鹿やってるだけなのに金を貰ってたりする。 これは極端な例だろうけど、一旦力を持った人間は何をやっても賞賛されて金を貰えて、そうじゃない弱い人間は成功しても報われない、という世の中は無気力をもたらすだけだよ。 この人はこの人なりに頑張っているんだろうけど、この人も何だかんだで「スター」なんだろうから、馬鹿で無能で不運な人間がどれほど惨めなのかは解らないんだろうねえ。 私はスポットライトを浴びて賞賛される人生なんか送ってこなかったし、これからもないだろうからこういう人の気持ちは解らないようにね。 妬み僻みで切り捨てられるだろうけど、それでも「ふざけんな」て言いたいよ。 まあ、ダラダラと書いたけど、おトムさんは環境保護より自分の頭髪環境の保護を優先させたほうがいいよー、ということだ。 長髪やヘアバンドで生え際を隠すなどという小手先の誤魔化しではなく、間違いなく衰退している自分の頭髪と真正面から向き合って解決をするべきだろう。
by volontaire
| 2010-07-24 18:23
| 罵詈雑言
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